coming in 2022
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ストーリー



    米、紙、陶器、布、漆、木。日本ほど永く、こういった素材と人の営みとを共存させ、その関係を自然に、社会に、あるいは工芸品に、そして精神の中にもつ文化は世界に稀です。現代の日本でも、これらの伝統は、便利さ、目まぐるしい都市生活、絶えず更新される近代化への飽くなき情熱とバランスを保っているように思われます。しかし、ある物質が、今までにないかたちで地球上の生命を脅かしています。それが、プラスチックです。

    人類の歴史の中で、プラスチックほど急速に使われるようになった素材は他にはありません。1950年代以降、世界のプラスチック生産量は200倍に増加、今や合計で約80億トンに達し、これは今生きている人間1人のために1トン以上のプラスチックが生産されていることになります。今後30年で、世界のプラスチック部門の生産量は約4倍になり、世界の石油消費量の20%、年間の炭素収支の15%を占め、2050年までには海の中に魚よりも多くのプラスチックが存在すると予測されています。

    食の多くを海に頼っているにもかかわらず、日本周辺の海は世界でも最悪のプラスチック汚染に悩まされています。マイクロプラスチックの数は世界の海の平均の27倍にもなり、既に地域の環境、海洋生物、そして人間の健康を脅かす存在となっています。

    日本は今、材料を無駄にせず、再利用する循環型経済に向けて動き出そうとしています。しかし一方で、1人当たりのプラスチック包装廃棄物の排出量が世界2位となってしまった課題も存在します。まずは、現行のデザイン、生産、包装、使用、そして廃棄物管理のシステムといった大きな構造的な欠陥と、それがどう消費主義や、包装、使い捨てへの嗜好と関わってきたかを検証します。
    日本が地球の環境問題の影響から逃れられないことは明らかです。最近では、未曾有の熱波や豪雨、多数の台風に見舞われ、「2020年世界気候リスク指数」では異常気象の影響を受ける国の第1位とされています。日本中の都市や地方自治体が公式に「気候緊急事態の真っ只中にいる」と宣言する中、プラスチックへの依存が、いかに大量生産、大量消費、大量廃棄の急増と相まって、日本と世界を持続不可能な道へと導いているかを検証します。

    『プラスチック・ラブ!』は絶望ではなく希望のメッセージです。この世界的な問題を逆転させるために、日本だからこそ提案できることは何かを考えます。日本の雄大な海、山脈、穏やかな島々、そして廃棄物処理施設をも背景に、最も刺激的な、そして創造的な日本の思想家、社会活動家、科学者たちの語りで、アートとデザイン、社会のイノベーション、あるいは深い哲学の世界に深く入り込んでゆきます。



「プラスチック・ラブ!

ドキュメンタリー映画
予想上映時間: 90分
言語: 日本語、英語
字幕: 日本語、英語
2022年度前期 公開予定